2014年9月28日日曜日

2014/09/04 末続仮置き場見学会 with ジャック・ロシャールさん ご報告

 9月4日、ロシャールさんの来訪に合わせて、末続地区内にあるいわき市北部衛生センター内、仮置き場の再度の見学を行いました。


 現在、北部衛生センター内には、南部清掃センターで発生した飛灰が、一時保管されており、搬入前から区長を中心に地域の方が、仮置き場の空間線量を測定 しています。
 今回は、保管状況がどうなっているのか、線量計の貸出も受けて、ロシャールさんもご一緒に、地区の希望者の方と確認してきました。
 飛灰は、フレコンバッグに入れられ、さらにその上に、紫外線防止のカバーが掛けられた状況で、一段ずつ棚に載せられていました。
 一袋ずつ、発生した日付が記載されています。
 実際に保管状況を確認すると同時に、線量計でフレコンバッグのすぐ側で測ってみて、また、さらに少し離れた場所でも測ってみて、距離が離れると放射線量はぐっと下がることなどを確認しました。
 定期的に測定された置き場内の空間線量は、いわき市とも共有され、専門家による解析を受けた上で、説明とともに先日の回覧で回されました。

 仮置き場見学が終わった後は、集会所でロシャールさんとお話しをしました。
 ロシャールさんからは、また末続に来られて、顔なじみとなった皆さんとお会いできて嬉しい、との挨拶がありました。
 その後は、順々に近況報告や疑問・質問コーナーです。
 区長からは、D-shuttleによる外部被ばく測定が行われていることや、仮置き場に一時保管されている飛灰による影響があるかどうかをきちんと確認するためにも、自分たち自身できちんと測ることは必要だと思う、という話がありました。
 この集まりの中で、これまで自分で測定を続けてきたお母さんから、若い人たちにもこういう集まりに来てもらうよう、自分たちも声をかけたりできることをしたい、という声が出たことが、一番の収穫だったと思います。
 今も、地区内に若い人はほとんど戻ってきておらず、地域に残られている方の一番の関心事はそのことです。
 戻る、戻らないは、それぞれの判断だし、どうしろ、というつもりもないけれど、ただ、こういう集まりがあることを知って欲しい、という声の向こう側には、おそらく、震災の後3年以上をかけて自分たちが知ってきたこと、体験してきたこと、わかってきたことを、若い世代の人たちとも共有したい、共有して欲しいという思いがあるのだと感じました。
 若い人たちと状況を共有するために、自発的に、自分もなにかしたい、と仰ってくださる方が出てきたことは、本当に嬉しいことでした。
 一挙に解決策があるわけではないですが、その場にいた方たちが、自分たちの言葉に自信を持って話されるようになっていることは、とても明るいことと感じられました。
 ロシャールさんとの再開を約束して、集まりは和気藹々と終わりました。



今回の事業費

宿泊費 12,600円
飲み物代 1,994円
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合計 14,594円

2014年9月23日火曜日

2014/08/23 いわき市末続地区 WBC、外部被ばく測定説明会 ご報告

 8月23日(土) 末続集会所にて、3回目のWBC測定結果説明会と、D-shuttleの測定による外部被ばく結果説明会が、午前と午後にわけて行われました。
 今回も、データ解析と説明は、福島県立医科大学の宮崎真先生がしてくださいました。



 WBC測定は、去年から数えて3回目になります。
 5月に行われた仮置き場見学会のあとのお話し会の時に、今年も山菜を食べた後の結果を知るために測りたい、という地区の方からご要望をいただき、7月11日(金)12(土)の2日間かけて、ひらた中央病院で実施しました。
 参加者は39名、移動のためのミニバスを区長が手配、運転していきました。
 測定の回数を重ねるごとに、検診になれた方も増え、遠足さながらの雰囲気のようでした。
 みなで検査に行くという機会を通して、放射能のことを含めて、顔を見ながら話す時間が取れるということにも、大きな意味があるように感じています。
 測定結果は、全員がNDでしたが、測定の時に今年の山菜の摂取について実施したアンケートの結果では、今シーズンは、山菜を食べたと言われる方が半数以上を占め、震災前と同じかそれ以上の量の山菜を食べたという回答も複数ありました。
 説明会の際に出る質問も、自分たちの食生活とWBC測定について、的を絞ったものが多くなりました。それでも、体内に入った放射能は蓄積するのか、という問いは今回も出ました。
 体内に入ったとしても、セシウムは、摂取を続けない限りは、必ず排出されることが、宮崎先生から説明されました。
 同じ質問は何度も出るのですが、その度に、粘り強く何度も答えて下さっている宮崎先生には、感謝です。
 こうした地味で、地道な部分が、地域での信頼を得るには、とても重要なのだと、私は思っています。
 そのおかげで、自分たちで測って確認して、食べる、ということが、一部の方の中にはしっかりと根付きつつあることを、今回も強く感じました。
 また、今回の集まりでは、地域の方の中から、最終的にはWBCで確認できるにしても、だいたいのところでいいので、もっと近場で食品を測定できるようにしたい、という要望がでました。
 細かい数値の高低や正確さばかりを追求してかえって数値に振り回されるのではなく、自分たちの食生活を自分たちで把握するために、だいたいのところでいいので知りたい、という声が、地区の複数の方から自発的に出た、ということは、私にとっては、非常に印象的なできごとであると感じられました。
 せっかくいただいたご要望なので、実現できるための段取りを、現在、地区の方と相談しながら進めています。

 午後からの外部被ばく測定結果説明会も、4月から数えて、3回目になります。
 まずは、全体説明として、末続地区の測定結果の概要が説明されました。
 末続地区内では、これまでの測定値に基づく年間推定追加被ばくが年間1ミリシーベルトを超える人は、現在のところ、ひとりもいません。
 また、外部被ばくも内部被ばくと同じで、細かな上下ではなく、全体の積算値で考えることが大切、ということなどが説明されました。
 その後、結果は、個人ごとのグラフで返されました。
 外部被ばくは、個人のライフスタイルによって差が出るため、その後は個人ごとの説明になります。
 グラフを見ながら、気になる部分がある人や、もっと知りたい人に対して、個別の解説をしていきます。
 その場で原因がわからないときは、後日、空間線量の測定などを行うことなどもします。
 グラフと、自分の行動記録を照合し、空間線量としては高めの場所に行ったときに実際に滞在したときの測定値はどれくらい変わるのか、という確認に利用される方も複数いらっしゃいました。
 ご自宅周りの線量を不安に感じられている方も、行動記録とグラフの動きを重ね合わせることで、もやもやとした不安が整理されるような印象があります。
 末続地区内では、畑仕事などでずっと屋外にいらっしゃる方でも、現状は推定追加被ばくで1ミリシーベルトを超えないという結果が出ていることもありますが、地区の全体像がこうして示されるということにより、かかっていた靄が少しずつ晴れていっているのではないか、と感じています。
 集まった人数は、8~9名と少なかったのですが、皆さんの表情がとても明るいものであったことが印象的です。



今回の収支報告

交通費 10,000円