冬の風向、強風下での放射性物質のことについて御心配されている方の声をたくさん聞きました。このことについて内閣府原子力被災者生活支援チームの方にお問い合わせをしたところ、政府からも以下の情報を公開していることを教えていただきました。
以下、いただいたお返事を引用いたします。
1.警戒区域および計画的避難区域における詳細モニタリング結果(モニタリングカーによる走行サーベイ第六巡およびダスト測定)
この中でダスト(空気中の放射性物質濃度)測定のPDFが掲載されています。
富岡町での8月と3月のダスト測定の結果を比較したものです。確かに風向が変わり、風速の数値も大きくなっているようです。しかしながら測定値の方は、3月の方が小さくなっています。いわきの方のデータではないですが、より福島第一原子力発電所に近いところのデータです。
2.ダスト測定の結果(PDF)
【44】【114】【115】【2−6】がいわき市のデータです。最近の測定値では【115】に本年3月21日のデータがあり、セシウム134,137ともに不検出です。12月、1月もセシウム134,137ともに不検出でしたが、2月にはセシウム134が0.12Bq/m3検出されています。しかし、夏に比べて小さな値です。原子炉等規制法体系下での排気中又は空気中の濃度限度 (PDF)である2×10-5Bq/cm3 (20Bq/m3)です(35ページのセシウム134の第5欄をごらんください)。この値は1年間その濃度の空気を吸い続けた際に1mSvになる濃度として計算されたものです。この値と比べても小さいことを御確認ください。
3.定時降下物の測定結果
空気中の放射性物質の測定については、定時降下物の測定という方法もあります。定置した容器に降り積もったじん埃等を測定する方法です。単位はBq/m2などになります(排気の基準の立法メートルではなく平方メートルです)。この方法による福島市のデータについて記載されているURLも御紹介しておきます。1月2〜3日にかけて高い値が計測されたことについて分析した資料 (PDF)もあります。乾燥する12月以降に10m/秒以上の風速で降雨降雪がないときに測定結果が高くなる傾向が指摘されています。ただし、高い測定値のじん埃をすべて吸い込んだとしても放射線量の評価としては大きくないことも記載されています。また、発電所から新たに放出されたものではなく、その土地のものが強風で舞い上がったものととらえています。4月3日に強風が吹きましたが、この1月2〜3日の測定結果より小さな値となっています。
4月3日の強風時のデータ (PDF)
なお、測定値を発表しているサイトにおいては、以下のような注記があります。
「地面が乾燥している時に強い風が吹くと、じん埃が地表面から舞い上がりやすくなります。被ばく線量の低減や一般的なじん埃の吸入量低減の観点から、土ぼこりが舞うような風の強い日に外出する際は、マスクの使用や帰宅後のうがいなどに心がけましょう。」
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