2014年1月4日土曜日

2014/1/1付 東京新聞 新年企画「新日本原発ゼロ紀行」 (1)福島編  について

 2014年1月1日東京新聞「新年企画「新日本原発ゼロ紀行」(1)福島編 」に特報部榊原崇仁記者の署名入りで、福島のエートスに言及した記事が掲載されました。
 この記事に関連して、東京新聞の榊原記者からは取材の申し込みを頂戴致しましたが、以下のような理由でお断り致しました。
 安東から榊原記者へ宛ててのメール全文を以下に掲載致します。


東京新聞特報部 榊原崇仁様

 福島のエートス 安東です。
 取材のお申し込み概要、お送り下さいまして、ありがとうございました。
 拝読致しましたが、失礼ながら、私どもの活動に対するご理解が浅いのではないかとの懸念が拭えません。
 一例をあげますと、「自己統治」などという言葉は、私どもは用いておりません。
 「自己統御」という言葉は私の論文中で記しましたが、榊原様がお使いになったような意味合いではございません。
 また、榊原様が私にお聞きになりたいと書かれていることは、報道のプロフェッショナルの方でありますなら、現地に足を運んでいただき、私どもの活動の実際をご取材の上、ご自分でご確認いただくべきものと思っております。
 また、取り上げられる場合、私たちの活動に対する「評価の声」も掲載するとのことですが、現地で実際になにが行われているか、なにが問題となっているか、どのような状況なのか、足を運んで現場の状況を確認もされていない方に、評価をいただく必要もございませんし、そのようなものを掲載しようとされる記事の意図を理解しかねます。
 上記の理由で、取材は、お断り致します。

安東


 本文中に記載してあります「自己統御」という言葉は、私が以前に書きました文章(「エートス(実用的放射線防護文化)の構築にむけて」)中で用いた言葉ですが、榊原記者はそれを「自分たちの社会を自分たちで治める」とご理解になっていましたので、その点をご指摘したものです。
 榊原記者からの取材要望書は、ロシャール氏と私たちの関係性に触れ、「日本ではどういう実践がなされているか(福島のエートス様の活動の詳細)、当事者の安東様は手応えをどう感じているか、また上記の懸念や批判についてどうお考えになっているか」との回答を求めるものでありました。
 私どもの活動のもっとも重要なところは、第一に現地での生活を改善することです。現地でなにが行われているかの確認もしないで与えられている批判に対する考えを求められることに困惑し、上記のような理由で、取材をお断り致しました。

 榊原記者がお書きになった記事は、事実関係の調査確認はほぼ行わず、コリン・コバヤシ氏の主張に全面的に依拠し、私ども「福島のエートス」 の活動が「海外からの伝道師」に関連する怪しいものであるかのような雰囲気を漂わせるものとなっております。
 「福島のエートス」は、福島県いわき市に在住する住民の一人である私安東が2011年11月頃に立ち上げた、会員数10名に満たない小さな団体です。
 会員は、みな、福島県内在住者で、これを専業としている人間はおりません。
 活動は、そこに暮らす自分たちで測り、知り、互いに話し、必要に応じて専門家の助言を得ながら対処することを基本としております。
 ロシャール氏は、何度も足を運んでくださっていますが、あくまで、専門家のおひとり、ゲストとしてです。
 活動を組み立て、実際に行っているのは、私をはじめとする現地の人間です。
 榊原記者は、取材申込書内で「専門性の低い住民の手で放射線が管理できるのか」とも書かれており、そもそも住民自身の判断力に疑問を持っておいでのようでした。
 このご懸念については、ご自分の目で確認して頂くのがもっとも間違いございませんので、私は、「ご自分で足を運んでご確認ください」と申し上げましたが、おいでにならず、元日付けの記事が掲載されました。
 私どものこれまでの活動については、当サイト内にも記録がございますし、有志の方が以下に情報を整理してまとめてくださっております。
被災地域において、そこに暮らす住民が自発的に立ち上げた活動に関して、さも怪しい活動を行っているかのようににおわせる当該記事を執筆、掲載した東京新聞特報部および榊原崇仁 記者には、抗議すると共に、今後、このような「被災地いじめ」の記事を掲載することがないよう要望致します。

2014年1月4日 福島のエートス代表 安東量子

※1月7日追記 本日付中日新聞にも「原子力ムラ「安心」吹聴 「健康心配なし」講演重ね復権図る」の見出しで同記事が掲載されました。

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