今回も、ICRP委員のジャック・ロシャールさん、ICRP事務局のクリストファー・クレメントさん他、海外からの専門家の方が5名ほど参加されました。
まず、地区内の除染現場見学です。
行われているのは、敷地まわりの樹木の枝打ち、細いものについては伐採、落ち葉等の除去、家屋については1階部分の雨樋の洗浄、表土5cm除去、新しい土壌に入れ替え、希望者については、庭木の枝打ちなども行われています。
(土壌を入れ替えた畑の線量を計測して確認しました) |
線量計を片手に、工事されている方から、作業手順などのお話しを伺うことができました。
(除染の仕様書を手に質問するロシャールさん) |
お忙しい中、ご協力いただいたことに、心から感謝いたします。
ついで、仮置き場見学です。
仮置き場内は、いわき市のし尿処理施設内に設置されています。
(仮置き場) |
整地された地面上に、地下に浸透しないよう特殊なシートが何重かに敷かれた上に、黒いフレコンパックに入れられた除染廃棄物が保管されています。
フレコンパックには、一つずつにタグがつけられ、いつどのお宅から出たものか、空間線量がいくつであったかなどの情報がきちんと記されていました。
敷地がいっぱいになった後は、上にシート等をかぶせて、保管するとのことでした。
(運び込まれる除染廃棄物) |
フレコンバッグに、線量計をぴったりくっつけると1.2μSv/h 程度の数値が表示されましたが、3mも離れると、0.2μSv/h 以下程度になります。(置き場は山を削っているので、周辺よりも空間線量は低くなっています。)
置き場での作業員の方も、個別積算計をつけておられ、置き場外と積算線量はかわらない、とのことでした。
その後の集会所での話し合いでは、実際に保管されている様子を見て、見学者の方は、これだけきっちり管理されているとはおもわなかった、との感想を漏らされていました。
ロシャールさんも、非常によく管理されている置き場だとおもう、と感想を言われていました。
その他、チェルノブイリ周辺地域での現在の状況から考えると、末続地区は今後どれくらいまで線量が低くなるのか、という質問などが出ましたが、ベラルーシの立入禁止区域30km圏外近くの地区でも、生活空間では、ほとんどの場所で、0.2 μSv/h以下の程度であり、暮らしは非常に落ち着いていること、また、線量に関しては、空間線量よりも、自分自身の被ばく線量をきちんと把握すること が大切などという話が出ました。
地区内で継続的に積算線量計を装着されている方からは、自分自身は、自分の線量を把握して判断基準ができることによって、とても前向きになることができた。けれど、これは、自分自身で体感して納得したからのこと、他の人には押し付けられないと思うし、押し付けない、というお話もありました。
全体的に、とても前向きに話をすることができたと思います。
なお、末続地区では、公益財団法人 震災復興支援放射能対策研究所(ひらた中央病院)と協定を結び、希望者全員を対象にWBC測定をおこなう予定になっています。
これは、事務手続きの取りまとめや、事前事後の説明などを末続側と私たちで受け持つことを前提として結ばれた協定です。
ただ測るだけでなく、その数値の持つ意味や、対応まで含めて進めていきたいと思います。
並行して、地区内に食品計測器を設置する用意も進めていますが、こちらも、ただ測るのではなく、数値の意味理解と対応まで含めて行えるようにしたいとおもっています。
・今回の経費
交通費(通訳さん) | 11,300円 |
お土産代 | 1,320円 |
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合計 | 12,620円 |
・集まりの様子は以下でもご覧頂けます。
ロシャールさんがやってきた(四ヶ月ぶり三度目)(togetter)
・おまけ
(兜をかぶってニコニコ顔で記念撮影) |
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